城山三郎の『気張る男』を読んだ。
西の渋沢栄一と言われた松本重太郎の走り続けた生涯を描いた作品。10才にして家を出た松本は鉄道、銀行、紡績、ビールと次々と事業を起こす。
本書では安田善次郎とよく比較されている。堅守と機略の安田に対し松本は任侠の人と表現している。
重太郎が自立するときに宗右衛門町の坂口父娘に600両の資金を用立ててもらったことに恩を感じ、のちに設立した第百三十国立銀行では人物本位での融資も行った経緯がある。それが逆に自らの銀行の危機を招いてしまった。
しかし、私財を悉皆差出し小さな借家へと移るという姿勢にその人柄が伺える。
現在の大企業(アサヒビールなど)礎を多くつくったが、作品の中ではその功績よりも人柄についてのエピソードが多い。
人間的な魅力があふれている。
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