対談本というのは、苦手だ。話し言葉と書き言葉はまったく違うものなので編集しても読みにくい点が多いからだ。
ただこの本はちがう。
面白い。
本書は「志向性の共同体」、「あこがれと習熟」、「ノーと言われたくない日本人」、「幸福の条件」の4つの章にわかれており、各章がテーマにそっていて学ぶことが多い。
対談本ということで両者の違いが大きくでたのは理想とする教育についてではないかと思う。梅田望夫が理想とする教育では自発的な学習意欲や共通の知的好奇心を持ったものが集う“志向性”が重視されており、齋藤孝が理想とする教育では老若男女を問わず小さな成功体験から学びの場に参加させていく“共感”が重視しているように思えた。
友人に教育系のNPOの立ち上げようとしている人がいるが、彼は不登校などの社会問題に取り組む熱意をもって活動しているのだが、彼と話していると自分とはやはり違うなという思いもでてくる。僕はどちらかというと梅田さん側で出向く教育ではなく進める教育の方が好みだ。ぜひ、教育に携わる人には読んで欲しい。
また「ノーと言われたくない日本人」の章で出てくる「寒中水泳」というキーワードが比喩として面白く使われている。この寒中水泳というワードは僕が「豪華客船に乗るべきか、水泳力を鍛えるべきか」というエントリーで書いたときに出てきた言葉だ。
これは齋藤孝が紹介している言葉なのだが、梅田さんの「あちら側とこちら側」「学習の高速道路」「けもの道」などと同じように意識的に使用されている。偶然の一致とはいえとても興味深い。
正直、だれにお勧めというか多くの人に読んで欲しい本だ。私塾化するということは結局はプラットフォームを個人が持つということである。
ネット時代とはここのプラットフォームが簡単につくりつながる時代なのだ。
Leave a reply