よく企業ビジョンとか企業理念とかを耳にすることが多くなった。あの会社のビジョンはしっかりしているとかあっちは理念はないとか。そんな言葉だけが氾濫しているような気がするが、この本は理念の作り方、浸透のさせ方を豊富な実例をもとに考える機会をくれる。教えてはくれない。あくまで読者に考えることを求める。

実例として紹介されるのはデンソー。デンソーはトヨタの自動車部品部門を支える企業としても有名だが、世界第二位の自動車部品メーカーでもある。

そんな大企業において大企業において『理念』を確立し、共有していくとはどういうことなのか。何が問題になり、どういう解法があるのかを本書は書いてる。

本書の中でなるほどと思ったのは上智大学神学部の山岡三治学部長の発言。

「< 布教>という時代は終わりました」

「上から下へ、相手の持っていないものを授けてやるのだ、という考え方はもはや通用しません。いや、もともと機能しないのです。そういうやり方は、西洋の科学技術が最先端を行っていた一時期に、力のない伝道者が安易に技術の威光を借りて行っていた方法にすぎません」「教えるのではなく、共に学ぶのです」「相手の心の中にある宝物を相手と一緒に見つけながら、共に豊かになること。伝道者の役割とは、そういうことです」

これは社内コミュニケーションだけじゃなくて、すべての企業におけるコミュニケーション、広告とかにも当てはまることだと思う。
これからは「浸透する」のではなく「共有する」「説明する」のではなく「情景を生み出す」「教える」だけでなく「共に歩む」 時代なのだから。

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